転倒予防のためのフットケア

フットケアの大切さ

足は全身の健康状態を知ることができる「窓」。

長年の生活習慣とともにさまざまな足のトラブルが増加しています。

特に高齢期におこりやすい転倒・骨折を予防するためには、足の爪切りや足浴、靴の選び方、歩き方などの日頃の足全体の手入れ(フットケア)がとても大切です。

ご自分の足をチェックしてみましょう。
①足
むくみ
水ぶくれ
掻き傷
乾燥
皮膚の色
ゆびの間
ジクジク
皮膚のめくれ

タコ
ウオノメ

②足の甲
発赤
腫れ
ゆびの甲
発赤
タコ
ウオノメ

③爪
爪の色
巻き爪
変形・肥厚
爪のまわり
発赤
腫れ

④かかと
靴づれ
乾燥
ひび割れ
足の裏
皮膚の色
乾燥
タコ
ウオノメ
皮下出血

足浴や入浴で日頃のケアを

①温浴によって血行がよくなります。40° 程度の湯温で行います。
②皮膚がやわらかくなり、角質を取りやすくします。
③皮膚を清潔にします。
④リラックスできます。
⑤皮膚の適度な保湿を保ち、乾燥・蒸れなどを避けることができます。

転倒しにくく、足にあった靴選びのポイント
①足に合った靴を選ぶときには、サイズのほかに、土踏まずのアーチと足の甲のアーチが重要になります。
②土踏まずのアーチが低すぎると足のバネが利かずに力がうまく伝わらず、アーチが高すぎると圧迫感と痛みが生じます。
③足の甲のアーチがしっかりしていないと足の形が崩れやすい。ひも靴であれば、足の形に合わせて微調整できます。
④はきやすく脱ぎやすいが、勝手に脱げない(甲の部分をマジックテープなどで止めるタイプもよい)。

転倒しにくい靴のポイント

①つまずきにくいことと

②簡単に脱げないこと。
③ひも靴はしっかりひもを締められれば問題ないが、指先の力が衰えた高齢者には、ひもがほどけやすく、かえって危険な場合があります。

以上のように、足の皮膚(乾燥、タコ、ウオノメ)、爪(肥厚、巻き爪、変形)、足型(外反母趾)のトラブル、およびむくみや冷えなどの問題を正しく把握した上で、適切にケアし、正 しい靴選びによって正しく歩くことがとても重要です。

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作成者 聖路加国際大学大学院老年看護学 亀井智子